【図解】WordPressからEmDashへ移行する手順(準備編)

WordPressからEmDashへ、サイトを移行しました。この連載では、その手順を実際の作業記録をもとに6回に分けて紹介します。

第1回は連載の入口です。移行の全体像と実際にかかった費用、移行の前にやっておく「棚卸し」と「バックアップ」の手順をまとめます。

✅ この記事で解決できること

  • WordPressからEmDashへ移行する全体像と、実際にかかった費用がわかる
  • 移行の前にやる「棚卸し」と「バックアップ」を、そのとおりに再現できる
  • ロリポップのバックアップ画面で、どのデータベースが自分のサイトのものか見分けられる
  • 所要時間:約60分(この記事の範囲)。移行全体は2日間でした

🎯 こんな人に最適です

  • WordPressの更新やプラグインの管理に手間を感じている人
  • EmDashに興味があるが、何から始めればいいかわからない人
  • ロリポップでWordPressのサイトを動かしている人

🔧 必要な環境・前提

  • ロリポップ(バックアップオプション契約済み)
  • WordPress(テーマ Astra+Elementor)
  • Cloudflareのアカウント(無ければ手順3で作ります)
  • Claude Code(作業の相棒。バックアップの中身の確認などに使いました)
  • 検証日:2026年10月30日

📋 作業全体の流れ

  1. 手順1:ロリポップでバックアップを取る
  2. 手順2:WordPressのエクスポートファイルを保存する
  3. 手順3:Cloudflareのアカウントを用意する
  4. 手順4:今のサイトの見た目を記録する

移行の全体像

EmDashとは

EmDashは、Cloudflare(クラウドフレア)の上で動くCMS(記事を書いて管理するしくみ)です。このサイトでは、WordPressの代わりとして使っています。

EmDashは、Cloudflare Workers(Cloudflareのサーバーでプログラムを動かすサービス)の上で動きます。

移行した理由

  • WordPressは更新に追われます。移行前のエクスポート画面にも、「1個の中リスクの脆弱性あり」という警告と、プラグインの更新待ち9件が出ていました。
  • テーマやプラグインが増えていました。Elementor、Astra、Contact Form 7、WPForms、Site Kit、WP Mail SMTP、Really Simple Security、WP Fastest Cache、EWWW Image Optimizer などです。
  • EmDashには、AIから記事を操作する窓口(MCP:AIが外部のサービスを操作するための共通のつなぎ方)が最初から付いています。移行後は、Claudeに下書きを書かせて、人が確認して公開する運用にしました。

移行の方針

  • 1サイトだけ先に試す:ロリポップではWordPressのサイトが4つ動いています。manual-chang.com は、お試しの1つ目です。ここで手順とつまずきを確かめてから、残り3サイトを移すか決めます。
  • ロリポップは解約しない:ほかの3サイトのために契約を続けます。
  • 記事はインポートで移す:ブロックエディタで書いた記事は、公式の移行ツールでそのまま移せます。
  • 見た目は作り直す:テーマや、Elementorで作ったトップページは移せません。
  • URLは変えない:/記事名/、/category/〜/、/tag/〜/ をそのまま使います。検索エンジンの評価を守るためです。
  • 古いWordPressはしばらく残す:新サイトが安定するまで、1〜2か月残しておきます。
💡
ポイント:手順は、EmDashの公式ドキュメントを優先しました。参考にした動画の要約はAIが作ったもので、プラグイン名などが公式と食い違っていたためです。

実際にかかった費用

項目費用補足
Cloudflare Workers の有料プラン(Workers Paid)月5ドル〜最初は無料プランで始めたが、途中で切り替えた(第3回で詳しく)
※無料プランでは、記事と画像の取り込みが処理時間の上限で止まった
Cloudflare の DNS・証明書無料―
メール送信(お問い合わせの通知)月3,000通まで無料有料プランが前提
ドメイン(ムームードメイン)これまでどおり移管はしていない
ロリポップこれまでどおりほかのサイトのため継続。このサイトの分だけ減るわけではない

連載の全体像

  1. 全体像と準備編(この記事)
  2. EmDashをCloudflareに立ち上げる手順(Claude Codeで作成、デプロイ、最初のログイン)
  3. WordPressの記事をEmDashに移す手順(公式の移行プラグイン、件数の確認、無料プランの上限)
  4. デザイン・お問い合わせフォーム・SEOを作り直す手順
  5. ドメインをCloudflareに切り替える手順(ムームードメイン、メールを使わない設定、切り替え後の古い住所の残り)
  6. ClaudeとEmDashのMCP連携|記事を下書き保存する手順
WordPressからEmDashへの移行の全体像。1 準備、2 立ち上げ、3 記事の移行、4 作り直し、5 切り替え、6 AI運用の6段階。費用はCloudflareの有料プラン月5ドルから

移行前の棚卸し

作業を始める前に、今のサイトの棚卸し(今のサイトに何があるかを数えて一覧にすること)をしました。結果は次のとおりです。

項目内容
サーバーロリポップ
ドメインの管理ムームードメイン(DNSもムームーDNS)
※whoisでは「GMO Internet / Onamae.com」と表示された。表示と実際の契約先が違うことがある
テーマAstra+Elementor
お問い合わせContact Form 7
投稿公開32+下書き3
※下書きは公開サイトからは見えない
固定ページ公開3+下書き1(ホーム、このサイトについて、お問い合わせ)
カテゴリー/タグ4/90
画像208
コメント0
メールこのドメインのメールアドレスは使っていない
  • 投稿はすべてブロックエディタで書いたものでした。そのまま移せます。
  • トップページはElementorで作ったものでした。作り直しになります。
💡
ポイント:下書きの件数は、公開サイトを見てもわかりません。手順2で保存するエクスポートファイルを調べて、初めて下書きがあることがわかりました。

⚠️ 自分のドメインでメールを使っている場合

このサイトは自分のドメインのメールアドレスを使っていないため、ドメインを切り替えてもメールの心配がありませんでした。メールを使っている場合は、切り替えの前にメールの設定(MXレコード)を写す必要があります。

手順1:ロリポップでバックアップを取る

まず、バックアップ(もしものときに元に戻せるように、データの写しを取っておくこと)を取ります。ロリポップの「バックアップオプション」(有料オプション)を契約している前提です。

手順1-1:バックアップ管理画面を開く

  1. ロリポップのユーザー専用ページにログインします。
  2. 「サーバーの管理・設定」→「バックアップ」を開きます。
  3. 状態が「稼働中」になっていることを確認します。
  4. 「バックアップ管理画面」を押します。
ロリポップのバックアップオプションの画面。状態「稼働中」と「バックアップ管理画面」ボタン

バックアップ管理画面には、Webサイトの行が1つと、データベース(DB:WordPressの記事や設定が入っている入れ物)の行が並びます。このアカウントでは4サイト分、データベースが4行ありました。

バックアップ管理画面。Webサイト1行とデータベース4行、各行の右に5つのボタン

手順1-2:今すぐバックアップを取る

自動バックアップは15日に1回です。このときの最新は12日前でした。移行の前に、手動で取り直します。

  1. 各行の右にある5つのボタン(時計/一覧/雲/矢印の輪/稲妻)を確認します。役割は、マウスを乗せると表示されます。
  2. 「⚡(稲妻)」を押します。今すぐバックアップが始まります。
  3. Webサイトとデータベース4つ、すべての行で実行します。

手順1-3:バックアップをロックする

  1. 「≡(一覧)」ボタンを押して、「履歴」画面を開きます。
  2. 今日の分が一番上にあります。その行の「ロック」で「オン」を押します。
バックアップの「履歴」画面。一番上の行の「ロック」の「オン」ボタン
💡
ポイント:ロックすると、そのバックアップは自動で消されなくなります。同じ行にある「削除」は押さないでください。

手順1-4:自分のサイトのデータベースを見分ける

データベースが4つ並んでいて、どれが自分のサイトのものかわかりませんでした。名前が英数字だけだからです。次の方法で見分けます。

  1. WordPressの管理画面で「ツール」→「サイトヘルス」を開きます。
  2. 「情報」→「データベース」を開きます。
  3. 「データベース名」の末尾の英数字を確認します。
  4. バックアップ管理画面の各行の末尾と照らし合わせます。一致した行が、自分のサイトのデータベースです。
💡
ポイント:最初はロリポップの画面の中で探してしまいました。見るのはWordPressの管理画面です。迷ったら、データベースを全部バックアップしておけば安心です。

手順1-5:データベースをダウンロードして名前を変える

  1. 自分のサイトのデータベースの行で、「☁(雲)」ボタンを押します。
  2. 約1.1MBの .sql.gz ファイルがダウンロードされます。
  3. ファイル名はランダムな英数字で、どのサイトのものかわかりません。すぐにサイト名を入れた名前に変えます。

ダウンロードしたファイルの中身は、Claude Codeに確認してもらいました。壊れていないこと、最後まで取れていること、サイトのアドレスとサイト名が正しいことを確かめています。

💡
ポイント:Webサイト分のバックアップ(2.58GB)は、4サイト分が全部入っているためダウンロードしませんでした。サーバー上でロック済みです。画像は、移行するときに今のサイトから取り込まれます。

手順2:WordPressのエクスポートファイルを保存する

念のための保険として、WordPressのエクスポートファイル(WXR:記事・ページ・カテゴリーなどを1つにまとめたXMLファイル)も保存します。

  1. WordPressの管理画面で「ツール」→「エクスポート」を開きます。
  2. 「すべてのコンテンツ」を選びます。
  3. 「エクスポートファイルをダウンロード」を押します。
WordPressの「エクスポート」画面。「すべてのコンテンツ」と「エクスポートファイルをダウンロード」。脆弱性の警告と更新待ち9件の表示も写っている
  1. 約1.5MBのXMLファイルが保存されます。元の名前は WordPress.2026-10-30.xml です。サイト名を入れた名前に変えます。

ファイルの中身を数えると、棚卸しの件数(下書きを含む)と一致しました。なお、このファイルに画像そのものは入っていません。入っているのは画像のアドレスだけです。

手順3:Cloudflareのアカウントを用意する

  1. Cloudflareにログインします。
  2. 「Account home」が開けば準備完了です。
Cloudflareにログインした直後の「Account home」画面

アカウントを持っていない場合は、ここでメールアドレスを使って登録します。

💡
ポイント:有料プランへの切り替えは、まだ必要ありません。記事の取り込みで必要になったとき(第3回)で間に合います。

手順4:今のサイトの見た目を記録する

  1. トップページ、記事ページ、お問い合わせページのスクリーンショットを撮ります。
  2. ロゴの画像と、トップページの背景画像を保存します。
💡
ポイント:Elementorのデザインは、移行ツールでは移せません。FTP(サーバーとファイルをやり取りするしくみ)でテーマのファイルを落としても役に立ちません。Elementorのデザインはデータベースの中にあるからです。今の画面のスクショとロゴ画像をAI(Claude Code)に渡して、作り直します(第4回)。

うまくいかないときは

症状原因対処
バックアップ画面のデータベースが、どのサイトのものかわからない名前が英数字だけWordPressの「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「データベース」で名前を見て、末尾の英数字を照らし合わせる
最新のバックアップが古い自動バックアップは15日に1回「⚡(稲妻)」ボタンで手動バックアップを取り、ロックする
ダウンロードしたファイルが、どのサイトのものかわからないファイル名がランダムダウンロードしたら、すぐに名前を変える
ドメインの契約先がわからないwhoisに取次元の会社名が出る支払いをしている会社の管理画面を確認する

まとめ

  • 移行の前に、記事・ページ・画像・プラグインの数を棚卸しします。下書きも忘れずに数えます。
  • ロリポップでは「⚡」で手動バックアップを取り、「履歴」でロックします。
  • 自分のサイトのデータベースは、WordPressの「サイトヘルス」で名前を見て見分けます。
  • 保険として、WordPressのエクスポートファイルも保存します。
  • デザインは移せないので、今の見た目をスクショで記録しておきます。

次回は、第2回「EmDashをCloudflareに立ち上げる手順|作成からログインまで」です。

連載の他の回

この記事を書いた人

hiroshi